トップ »ブログ »根管治療で多い質問にお答えしていきます


こんにちは!
Smile10デンタルクリニック 院長 吉永先生です。
今回は、根管治療に関するよくある質問とその回答をご紹介しています。

Q、根管治療とは?
根管治療は、主に2つの治療方法に分けられます。
➀一つは抜髄です。
痛みが強い場合は歯の神経である歯髄を抜かなければなりません。これは、虫歯が大きく神経まで到達している場合、神経が露出している場合などに必要になります。
神経まで到達するほどの大きな虫歯なので、歯髄炎という強い痛みが出る事があります。痛みを抑える為にも、歯の神経を除去して治療することになります。

➁もう一つは感染根管治療です。
歯髄炎を放置しておくと、歯の中の神経が死んでしまいます。最初は痛みが出ないので安心できますが、やがて歯の根の先端の骨を溶かすように虫歯が進行し、膿がたまり、痛みや炎症が起こります。
また、神経を抜く処置の後は、通常被せものをして終了になります。しかし、その後数年経つと、歯の根元が腫れたり、噛むと歯が浮くような違和感を覚えることがあります。
このような場合に、感染根管治療を行います。

Q、根管治療中はなにをしているの?
汚染された根管は、リーマー、エンドチップと呼ばれる細長い超音波器具、効果的な薬液で根管内の細菌や汚れを除去し、洗浄します。
洗浄後は、ガッタパーチャと呼ばれる材料を、歯の根の代わりにつめていきます。その材料を充填した後、土台を入れ、被せ物をします。
ただし、歯の神経や根っこの汚れは1回では取れないので、きれいになるまで何回か歯科医院に通う必要があります。

Q、どうして神経は残した方が良いのでしょうか?
歯髄には、神経、血管などがあり、重要な栄養素を歯に運ぶのに役立っています。
また、熱いものや冷たいものが歯にしみることで、虫歯になっても痛みを教えてくれます。

神経を抜いてしまうと歯は本来の役割を失い、まるで枯れ木のようになってしまいます。
歯がもろくなってしまうため、固いものを噛んだり、強い圧力がかかると割れてしまうこともあります。歯が割れてしまうと、抜かなければならなくなります。
そのため最適な健康状態を保つためには、神経を残すことが不可欠なのです。
SEDでは神経を残し、健康な状態を保つことを心掛けています。

Q、歯を抜くのは悪い事?
歯を抜いた後は、主に3つの選択肢があります。
1つ目はブリッジです。
抜いた歯の両隣の歯を削り、残った2本の歯を土台にして3本分の歯の力を支えられるように、橋渡しの詰め物を入れる方法です。
2つ目は入れ歯。
3つ目はインプラントです。
どの方法も長所と短所がありますが、自分の歯に勝るものはありません。そのため、やむを得ず抜歯する場合を除き、当院では根管治療という方法で、できるだけ多くの天然歯を残すようにしています。

Q、治療中にピピピと鳴っている音が気になります。
根管長測定器という機械の音です。
根管治療では根管内の長さを測り、リーマーと呼ばれる道具で根っこの中を綺麗にしていく必要があります。
そして最終的には、ガッタパーチャという樹脂を神経の管の中に入れて根管治療を完了させます。
この材料が根管の先まで入っていないと再発しやすいので、治療の精度を上げるために根管の先端まで長さを測定し、治療の精度を上げています。

Q、根管治療中の痛みについて教えて欲しい
根管治療では、特にご希望がない限り事前に麻酔を行いますので、ほとんど不快な思いをすることはありません。
万が一、痛みを感じるようであれば麻酔を追加して対処いたします。
しかし、虫歯の範囲が広く痛みが強い場合は、麻酔が効きにくいことがあります。

Q、治療後に痛くなるのはなぜですか?
根の先端は骨とつながっています。歯の神経が取れても、骨は痛みを感じます。
そのため、根っこの先まで清掃を行うと、痛みを感じることがあります。
この根っこの先の痛みは長くても約72時間程度で落ち着いてくると言われています。
痛みを軽減するための鎮痛剤をお出しすることもできますので、ご相談ください。

Q、噛むと、治療中の歯が痛いです
骨折と違って、歯を使わない様に安静にしておくことはできません。
咀嚼すると痛むことがあるので、できれば治療中の歯がある方で噛むのは控えた方がよいでしょう。被せものをしていない歯はもろく、割れてしまう可能性があります。

Q、治療途中ですが痛みが治まりました。通院をやめても良いですか?
エナメル質は象牙質よりも強度が乏しいため、長い間被せ物がされないままにしておくと、折れたりもろくなったり、虫歯になる可能性が高くなります。特に、一時的な仮の詰め物がとれてしまうと虫歯のリスクが非常に高まります。
また、神経を取った歯は虫歯になっても痛みを感じず、なかなか気付くことができません。
治療期間が空き虫歯が進行する事で、今まで残せる予定だった歯が残せなくなってしまう事もあります。
痛みが治まっても、ぜひ継続的な通院をお願いいたします。

Q、マイクロスコープでは何を見ているのですか?
医師用マイクロスコープでは、根管内部を拡大して見ています。肉眼では発見できないような亀裂などを発見することが可能です。
特に口の中は暗くて作業がしにくいため、マイクロスコープがないと根の本数が見えない部分もあります。精密なご治療のために欠かせない機器です。

Q、以前神経をとってから数年が経つのに痛みがあります。
根管治療について「数年前に神経を抜いて被せた歯が腫れて、噛むと歯が浮くような感じがする。食事中に痛みが出る。」とお話しました。
その時の痛みのほとんどは、根尖性歯周炎によってもたらされるものです。
神経をとった歯でも、中に残っている歯根が虫歯になることがあります。虫歯ができても痛みが出ないので、どんどん繁殖していきます。
根管内もその例外ではありません。細菌の侵入や繁殖によって細菌が骨まで到達し、炎症や痛みが引き起こされます。

Q、二度と神経を取らないためにはどうしたら良いですか?
最も重要なのは、お口の中の健康を維持し、虫歯を予防することです。
予防はできても、すでに虫歯になってしまった歯は元通りにすることはできません。
たとえ、虫歯になった歯を治療して詰め物をしたとしても、詰め物の隙間に細菌が入り込んでまた虫歯になってしまうこともあります。
虫歯の再発を防ぐためには毎日の習慣的な歯磨きが重要です。歯ブラシだけでは約60%しか汚れを落とせないと言われています。歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを十分に落としきれないためです。一日三回歯を磨いている方でも、フロスを併せてご使用ください。
続いて、生活習慣に注目しましょう。食後はすぐに歯を磨く、糖分の多いものを食べた後はお茶など糖分の少ない飲み物を飲む、飴やキャラメルなど口の中に残る甘いお菓子を摂取する回数を制限する、などを心がけましょう。
また、歯科医院での定期検診、歯科衛生士による正しいブラッシング方法の指導、歯科医院専用の超音波による歯石除去、目に見えない部分の初期虫歯の発見なども予防につながります。
予防をし、定期検診で早期発見をしていくことが、最も過費用と時間のかからない方法です。ぜひ当院で、あなたのお口の健康のためにサポートをさせてください。

根管治療について総合的に説明した厚生労働省のホームページをご紹介します。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-016.html
是非ご一読ください。

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