トップ »ブログ »定期検診の大切さについて


こんにちは、Smile10デンタルクリニックのしまだです。

みなさん、歯医者さんの定期検診には通っていますか?
今回は、定期検診の重要性についてのお話を致します。
どんなことをやっているかもご紹介しておりますので、いつも通っているけど内容が気になる方も、ぜひご覧ください。

定期検診は、一般的にメンテナンスとも呼ばれています。
メンテナンスとは、歯と口の健康を維持するための管理のことです。
歯石やプラークの除去だけでなく、お口の健康が悪くなっていないかも確認しています。
例えば、お口全体の虫歯の検査や、ブラッシング方法のアドバイス、歯周病の検査などを行います。
メンテナンスの期間は、患者さんの歯の状態によって異なりますが、通常は3ヶ月に1回が効果的と考えられています。
歯医者さんに定期的に通うことは、お口の健康を保つために重要なことです。
このブログでは、いくつかの日常的なケアを取り上げていきます。

〇歯肉のチェック
歯周プローブと呼ばれる器具を使って、歯周ポケットの深さをはかります。
健康な歯茎は通常、固くて淡いピンク色をしており、歯の周りにぴったりと収まっています。
歯周病が進んでくると、この歯周病ポケットが深くなっていきます。

〇むし歯のチェック
むし歯は、噛む面だけでなく、歯の根元や直接見えないところにもできます。
そのため、専門的にむし歯のチェックをすることが大切です。

〇ブラッシング指導
虫歯や歯周病を防ぐためには、正しい歯磨きをすることが大切です。
歯科衛生士から直接、正しい歯磨きの方法、歯間ブラシやデンタルフロスなどの使い方を教わる事ができます。
あなたに合ったセルフケアの方法を知る事ができますよ!
また、お子様には染め出しをして、汚れの付きやすい部分を確認することもできます。

〇歯石の除去
歯石は、歯の表面に付着して固まったプラークで、歯周組織の刺激や炎症を引き起こす原因になります。
歯石は自分で取り除くことができないため、歯科衛生士によるクリーニングが必要になります。

〇お口の中の粘膜や病気のチェック
唇や舌、頬、口角などの粘膜に炎症や変化がないかどうかを確認します。
口腔がんなどの早期発見のためには、お口の粘膜に異常がないか確認することが大切です。

〇歯科相談
●むし歯や歯周病など、お口の健康問題に加え、ホワイトニングなどの審美的な問題についての相談も受け付けています。定期検診は、お口を健康に保つためにとても大切です。

●当院では、衛生士専用のユニットを用意し、リラックスした雰囲気でクリーニングができるようにしています。
また、当院では歯科衛生士担当制を採用しております。
いつも同じ歯科衛生士がお口の状態を確認することで、わずかな状態の変化も見逃さないようにしています。
歯科医師、歯科衛生士で協力して、お口の健康を守っていくことにつながりますし、患者さんにとっても同じ衛生士さんという安心感が得られます。

〇歯周病と全身の健康について
歯周病が全身の病気と関係していることをご存知ですか?
歯周病は、歯の健康だけでなく、全身の健康を脅かすものなのです。
どんな病気が関係しているのか、探って見ましょう。

*心臓病(狭心症、心筋梗塞など)
*糖尿病
*脳血管障害(脳梗塞など)
*動脈硬化
*呼吸器疾患
*早産低体重児
*誤嚥性肺炎
など…

以上のような、さまざまな病気と関連しています。
このように、歯周病の影響は口の中だけにとどまらず、全身に及んでいることが明らかになっています。

●歯周病と糖尿病の関係
歯周病がなぜ糖尿病と関係するのでしょうか。
歯周病になると歯茎が腫れて、出血しやすくなったり、膿が出たりします。
そうすると炎症を起こした歯茎の歯周ポケットから、炎症に関係する化学物質が放出されます。
この化学物質の中には体内のインスリン分泌を阻害するものがあります。
インスリンが減ると血糖値が下がりにくくなるので、糖尿病の発症や悪化のリスクを高めることにつながるのです。

●歯周病と、心臓病や脳血管疾患との関係
歯周病になると歯茎が炎症を起こして腫れて、時には歯ブラシなどで軽く触れただけでも出血します。
その時、血管の中に歯周病の菌が入り込み、血液にのって全身をめぐることになります。
この歯周病菌は血液の流れを妨げるので、血管が詰まりやすくなり、狭心症、心筋梗塞などの心臓病や、脳梗塞などの脳血管疾患になりやすくなります。
歯周病が重度であるほど、歯周病菌は血液に入りやすくなります。
調査によると、歯周病に罹患している人は、歯周病でない人に比べて、心臓病や脳血管疾患のリスクが2.8倍高くなると言われています。

●歯周病と呼吸器疾患、誤嚥性肺炎の関係について
日本人の死亡原因ランキング第3位が何かご存知でしょうか?
それは肺炎です。風邪のせいだと思われがちですが、そうではありません。
75歳以上の要介護者の場合、肺炎は死亡原因の第1位となっています。

肺炎の代表的なものは誤嚥性肺炎です。
誤嚥性肺炎は、食べ物を飲み込んだ時に誤って器官に食べ物が入ってしまうことから始まります。
その時に、歯周病菌の混ざった食物や唾液も一緒に肺に入ってしまうことで感染し、命にかかわる病気にまでつながります。

誤嚥性肺炎は、お口の中の歯周病菌の濃度が高いほど発症の可能性が高くなります。
誤って気管に入ったものは、反射的に咳で吐き出すのが理想的ですが、筋力が低下していると吐き出すのが難しく、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。
お口の中を清潔に保っていれば、歯周病菌の濃度が減り、リスクを抑える事ができます。
誤嚥性肺炎の予防には、継続的な歯科検診はとても大切です。

●歯周病と早期低体重児出産(早産)の関係
早産や胎児の発育不全の原因に、羊水や羊膜の感染が挙げられています。
正常に出産をした際の子宮内汚染率は1%未満であり、子宮内に細菌感染を起こすと、早産や低体重児出産の危険性があること示しています。

妊娠初期には個人差があるとはいえ、つわりなどで全体的なブラッシングが難しくなる方もいらっしゃいます。
そんな時は、歯磨き粉をつけないでブラッシングをしてみてください。歯磨き粉の味やにおいで気分が悪くなってしまうのであれば、無理に使う必要はありません。
また、歯ブラシだけでも気分が悪くなってしまう場合は、うがい薬を使って、よくお口をゆすぐだけでも効果があります。

このように、歯肉疾患は口腔内だけでなく、全身の病気と関係していることがわかります。
定期的な歯科検診を受けることは非常に重要です。

〇歯周病と認知症の関係について
歯周病が全身疾患に関わる事は先ほどお伝えさせて頂きました。
歯周病が認知症のリスクも上げてしまう事はご存知でしたでしょうか?

歯周病菌は、血流にのって脳内に侵入し、認知症になる可能性を高めることが分かっています。
歯周病によって歯茎に炎症が起きると、血液に炎症物質であるサイトカインが入ります。
サイトカインはアミロイドβという「脳のゴミ」と呼ばれるタンパク質を増やしてしまいます。

サイトカインは記憶を司る海馬に蓄積されて脳を少しずつ圧迫し、脳の細胞を死滅させてしまいます。脳細胞が減っていくことで少しずつ記憶力が低下していきます。
このように歯周病は、認知症の中で最も大きな割合を占めるアルツハイマー病の発症や悪化の要因になる可能性があります。

さらに、歯周病は歯が抜ける一番の原因でもあります。
歯がないと咀嚼ができませんし、咀嚼は脳への大切な刺激になります。
この刺激が脳に運ばれないと、脳の機能が低下し、認知症になる可能性が高くなると言われています。

●認知症の症状について
認知症になると、脳機能が低下によるいろいろな症状が現れます。

➀記憶障害 記憶を忘れてしまう
➁判断障害 理解力が低下し、判断や、新しいことを理解できなくなる
③見当識障害 人の顔、今いる場所や時間が分からなくなる
④実行機能障害 慣れていることでも出来なくなる など…

また、日常生活を送ることが困難になり、多動、イライラ、排泄困難、不規則な食事、昼夜逆転、幻覚、妄想、徘徊などの症状が現れることもあります。

これらの症状は環境によって引き起こされることが多いため、環境を変えることでリラックスし、改善する場合もあります。
また認知症の進行が進むと、専門家によるサポートや介護が必要になることがあります。

介護は行う側の負担も大きく、介護うつ、介護疲れがよく問題になります。
介護者のうつ病の兆候としては、食欲不振、睡眠障害、疲労困憊、不安感、心理的苦痛などが挙げられます。

また2025年には、高齢者人口の5%が認知症になると予測されています。
認知症になる確率は年齢が上がるにつれて高くなります。したがって、認知症は誰もがかかる可能性があると考えるのが妥当でしょう。

しかし、幸いなことにアルツハイマー病は今から予防することが可能です。
お口の中を綺麗にしておくことで、効果的に認知症を予防しましょう!

歯周病は、認知症・物忘れだけでなく、糖尿病、脳血管障害、肺炎など、さまざまな病気の引き金になったり、悪化させたりする原因にもなります。

これらの病気を防いでこれから健康に過ごしていくために、ぜひ定期検診をご受診ください!
私たち歯科衛生士が、これから先の健康維持をサポートさせていただきます。

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